はじめて好きになった人を何度も好きになる
まずはじめに言おう。
私は松本潤くんが大好きだ。
小学一年生の時に観た花より男子初回放送日2005年10月21日(たぶん)で、私は道明寺司…もれなく嵐の松本潤に恋に落ちた。世間でよく言う「初めて会った時この人と結婚するかもと思いました」並の衝撃だった。
嵐の松本潤くんが好きだと家族に告白すると、私を溺愛している祖母が早速スーパーで安めのCDプレイヤーを買ってきてくれた。後日にはCD屋さんで生まれてはじめてCDを買ってくれた。嵐のアルバム、「ARASHIC」だった。(極度の恥ずかしがり屋だったため家族にもなかなか好きだと言い出せなかった)
CDジャケットを見て、潤くんを見て照れて、CDを再生するとなんだか恥ずかしい気持ちになった。母と祖母と3人で聴いたのだが、はじめての自分へのCD。うれしくてうれしくて顔を真っ赤にしながら涙を流した記憶がある。初めて買ってもらったDVDは、Around Asia in 東京ドームだった。本当に擦り切れるんじゃないかと思うほど毎晩ほど観て、画面に映るファンの人を真似して何も関係ない地元のお祭りでもらった団扇を振り回しながら鑑賞していた。
この頃からひとりだけサングラスをかけていたり、ソロ曲では気球に乗っていたり、クネクネ歌ったり(悪口ではない)自分の好きな人はなんだか変わってるなぁと思いながらも潤くんを嫌いになることなんて一度もなかった。本当に心から好きになっていたのかもしれない。おませさん。
けれど、嵐が10周年を迎える少し前から瞬く間に世間でも学校でも有名になり、私を取り巻く環境はちょっと変わってしまった。
私は変わらずに潤くんが好きだった。
世界で一番かっこよくて、きらきらしてる潤くん。
学校が嫌いで内気な私をいつも勇気づけてくれた自慢のアイドル、嵐の松本潤くん。
でも、みんなは違っていた。
「松潤ってナルシストじゃん」
「かっこつけすぎだよね」
「ありえない」
小学生って、誰かが言い始めると瞬く間にみんな同じことを言い始める。小学生の頃の私は本当に気弱で、自分の好きな人をこんなにも馬鹿にされるなんて、嫌われるだなんて、本当に本当につらかった。
自分が大切にしてた好きなものを、人を、胸を張って好きだと言える強い心はどんどん打ち砕かれていった。潤くんが好きだと言える隙すら与えてくれない、苦しい世界。
みんなより私のほうが先に嵐を好きになったのに。潤くんはいいところばっかりなのに。誰も見ようとしてくれない。修二と彰好きやったやんみんな。KAT-TUN好きやったやん。(子どもながらにいつもこれ思ってた)
小学生だけど、ひとりっ子のため多数の大人に囲まれ生きてきた私は「周りに合わせる」ほうが自分も楽になることを知っていた。周りの意見も振り切って好きだと言える勇気は、その頃の私にはこれっぽっちも無かった。だからこそ、自分を守りたくて、潤くんのことも守りたくて、潤くんが好きだという本音を押し殺して、ある日から無難に「翔くんが好き」という私になっていた。
翔くんごめんなさい。潤くんもごめんなさい。
今ならすごく失礼なことだと思うけれど、好きな人の悪口を言われるのは耐えられなかった。潤くんの悪口を聞かされた日は、布団の中で少し泣いた。
それから私は翔担として小学校生活を終え、中学校に入学してケータイを持った。
何気なく嵐で検索をかける日々。そこでとあるブログを見つけた。ただの一般人だけど、ものすごく翔くんが好きな人。毎日毎日私が潤くんに対して思っていること「めっちゃかっこいい!」「意味分からないくらい可愛い!」を飽きずに語っているブログ。
自分の気持ちに嘘なんてない、綺麗な「好き」がそこにあった。その人のブログ友達にはたくさん潤くんが好きな人がいた。ここでなら、自分の気持ちを思う存分吐露できる、、ようやく自分の本音を殺さずに潤くんへの好きを語るのは、ブログという手段だった。
そこで私はたくさんの人に出会い、同担にも出会い、こんなにも世界は広かったのだと思った。久しぶりに潤くんを好きでよかったと思えた。
でもここでも試練はあった。
ケータイを持った私は興味本位で調べものをするのが好きで、潤くんが携わるコンサートの演出に関する他人の批評をじっくり見るのが好きだった。今思えば何故自分で地雷を踏みに行ったのか?(お察しの通り怖がりの傷つきがちの興味津々マンです)
松本のソロが長い
自分だけ魅せようとしてる
他のメンバーを考えろ
空気読めない
見てて楽しくない
こんな言葉が並べられていて。そしてDVDを見れば見るほどその言葉通りのように思えてきて。
ネットは怖いと思った。知らなくていい世界を知ってしまうと自分の好きなものがどんどん否定されているような気がして、マイナスな言葉が表に立ってしまって、松本潤といういち人間そのものが見れなくなってしまった。
好きだと思いながらも、「潤くん今回のソロやっぱり長いんじゃない?」とか「そうやって余計なこと言わなくていいよ」とか。「なんで、どうして」が積み重なっていく日々。潤くんはきっと誰からも好かれるということを目標にしてアイドルをやっている訳ではないと心のどこかで分かっていながら、私が無意識にそれを求めてしまっていた。
私は"潤くんが好き"じゃなくて、小学生の頃のトラウマで周りに何かを言われるのが怖くて、潤くんが嫌われるのが怖くて、"潤くんはなんで好かれようとしないの?"なんて。そんなことを思ってしまう可哀想なファンになってしまった。あんなに素敵な潤くんのことを、大好きな人のことを、いつしか私自身が否定していたのだ。
そんな葛藤する心から逃げたくて、平和そうなHey! Say! JUMPの伊野尾くんにハマった。でも私は昔の男(※松本潤)と比べてしまって冷めるのは早かった。人同士を比べるのは昔から嫌いなはずなのに、どうしても。伊野尾くんの何が悪いわけではなくて、私の中では潤くんが絶対値であり最大級の存在だったからだと思う。葛藤からは結局抜け出せなくて、JUMPの「Your seed」という曲の「好きなもの好きと言える勇気だけは手放したらだめだよ」という歌詞で何度も泣いた。
私は手放そうとしてたんだ。
本当に大好きだったものを好きと言える力を、自ら。
自分が傷つきたくなくて、潤くんをこれ以上責める自分になりたくなくて。好きだけど、ひっそり、本当にひっそり好きでいようと決めた。いま思うと、ここまで行っても潤担を辞めるという選択肢が自分の中にはこれっぽっちも無かったことに気が付いた。
初めて潤くんに会うときは絶対に自分のお金で会いに行く!!と謎に決めていた私はこれまで潤くんに会ったことはなかった。けれど高校2年生の時、ブログ友達に誘われてワクワク学校へ足を運んだ。ちょうど伊野尾くんにハマっていため、自担と自担のコラボが見れるじゃん!!と友達には嬉しそうに言われたが、そんなことよりも人生で初めて稼いだバイト代をはたいて人生で初めて見る潤くんに心臓が破裂しそうだった。
もう遠ざかっていたはずなのに。(CDとDVD買うのは欠かさなかったけど)京セラドームでちっぽけしか見えない潤くんなのに。(双眼鏡急いで買いに行ったけど)
当日はやっぱり私は潤くんしか見ていなかった。嵐が登場した時は泣き崩れ、潤くんがモニターに映るたび涙が止まらなかった。レポートもHey! Say! JUMP全然見てない。嵐のレポートしか書いてない。(しかも超なぐり書き)ふるさと歌った時は潤くんの声を耳が勝手に抽出して、聴こえるたび泣いた。
その日友人には「あんたの泣きようがすごすぎてワクワクの内容全然入ってこんかったんやけど」と叱られた。本気でごめん。2時間延々と泣いてたらしい。
私本当に潤くんが好きだ。
誰がなんと言おうと、潤くんが、好き。
2015年のワクワク学校で、私は決心した。恥ずかしくない。松本潤という人間が好きだという事実をむやみに捻じ曲げることはもうしたくない。日帰りで田舎の香川から大阪に出た私は、帰りのひとりぼっちのバスで「むかえに行くよ」を聴いてひっそり泣いた。胸がいっぱい過ぎて、グッズを買うのすら忘れてた。
苦しくても、好きなままでいてよかったね。
あの頃の自分に、言ってあげたくなった。
そして2017年、二度目の潤くん。
これもワクワク学校だった。
この2年間で、友達には「松本潤くんが一番好き」と告白でき、真っ直ぐに応援をしてきた。クラスのみんなも「松潤かっこいいよね」とか「ドラマ観たよ!」と言ってくれるようになっていた。2015年に潤くんに会えたことに感無量すぎて2016年はワクワクの応募もコンサートの応募もできなかった。2年連続で会ったら本気で死ぬと思って。(マジで思ってた)
私が思っていたより、私を取り巻く環境は優しかった。
自分が嘘をつかず真っ直ぐでいれば、肯定してくれる人はきっといる。自分が良さを伝えたら、知ってくれようとしてくれる人が少なからずいる。他人の好きなものを否定する人がいっぱいいるわけではないのだと、初めて気付けた。
そんな清々しい気持ちで、2年前と同じ場所で潤くんに会えたのが嬉しかった。胸いっぱいだったけど、2年前と同じ過ちはしないようにちゃんとグッズも買った。登場した時はまた泣き崩れたけど。死ぬほど泣いたけど。やっぱり潤くんは世界一かっこいいよ。自慢の自担だよ。
小学生のころから潤くんが好きで、来年はもう二十歳になります。人生の半分以上潤くんに想いを寄せているという事実にビックリしています。友達とすれ違ったあの日も、好きな人にチョコを渡した日も、家族と喧嘩したあの日も、受験勉強を朝方まで毎日していた期間も、ずっとずっと思い出の側にいてくれたのは潤くんであり嵐でした。声に、笑顔に、言葉に、支えられてきました。
10年程かけて見つめてきた潤くんの大好きなところって言われたら全部だし、顔もドンピシャだけど綴らせてください。自己満です。
いつも一生懸命なところ。
ほんとは色々不器用なところ。
すぐ勘違いされちゃうところ。
でもすっごく優しいところ。
驚くほど真っ直ぐなところ。
感情が豊かなところ。
故に涙もろいところ。
頑固なところ。
芯が通っているところ。
よく笑うところ。
小さなことにもよく気づくところ。
かっこいいところ。
メンバーに愛されているところ。
メンバーを愛しているところ。
食が細かったのに今はよく食べるところ。
たまに天然をぶちかますところ。
かわいいところ。
動物が好きなのに好かれないところ。
盆栽への熱がいきなりすごいところ。
仕事への執着心、プライド。
ダンスに妥協しないところ。
省エネな言動をしないところ。
自分たちの曲を大切にして優しく歌うところ。
貰った役を大切にするところ。
自信家じゃないのに、そう見せる力があるところ。
実は緊張しいなところ。
すごくすごく愛情深いところ。
嵐が大好きなところ。
ファンを大切にしてくれているところ。
前を見据えたかっこいい"松本潤"を常に演じてくれるところ。
本当に潤くんの魅力って知れば知るほど出てくる。語りきれないほどある。アイドルとしてだけでなく、ひとりの人間として尊敬しています。すごく信頼できる人だから、飛んでくる心無い矢も跳ね返させるくらい強くいてくれる人だから、信じてもいいよって、優しい潤くんがいつもそこにいるから。
だから私は、女ネタがどうであれ"信じない"ではなくて、どうでもいい。交友関係とかも別にどっちでもいい。潤くんがアイドルでさえいてくれて楽しそうに笑っているだけで、それだけでいい。
辛いことがあっても、悲しいことがあっても、私をいつも「私」でいさせてくれる。コンサートの挨拶で言う『ついてこいよ』という言葉を、本気で信じられる。潤くんについてきて間違いはなかった。
不安になっても、良くない噂に取り囲まれても、きっと潤くんは、嵐は「変わらない変化」をし続けてそこにいてくれるから。私はこれからも自分の好きな人を追いかけ続けようと思う。
自分の好きなものを自分で否定してしまうような、そんな悲しいことはよくない。好きだ、と胸を張って言えるのはこんなにも心地がいい。
否定されるのが嫌で傷つきたくなくて、好きなものを好きだと言えない人。きっといらっしゃると思います。そんな方が、いつかきっと、胸を張って自分の好きな人を「好き」と言えますように。真っ直ぐな好きを持てますように。
拝啓
松本潤くん、いつもありがとうございます。
もうそろそろ34歳ですね、おめでとうございます。これからも、私たちに見せてくれるそのままの貴方が、貴方が愛する嵐が、ずっと大好きです。
敬具